ラブストーリーズ 2「誘惑は嵐の夜に」

しばらくは演じるの。
お母さんがあたしを、
あたしがお母さんを。

主婦の須田佐和子（高樹澪）は夫・謙三（春田純一）と二人暮らし。夫婦の会話も少なく、定年退職する日すら教えてくれない夫に対し、不満を募らせていた。

一人娘の康子（石川優実）は、売れないミュージシャンの恋人・北村満（永岡佑）と交際中。ある日、佐和子は、康子が仕事を辞めスナックでアルバイトをしている事を知り、康子のアパートを訪ねる。何も話してくれない夫や娘に対して抑えてきた感情が爆発し、佐和子と康子は揉み合いの喧嘩になる。そのとき、突然雷が落ちて部屋が真っ暗に。灯りがつき二人が顔を見合わせると、母娘の体が入れ替わっていた。

誰にも信じてもらえない状況のなか、しばらくはお互いを演じ日常生活を過ごすことに。康子の姿になった佐和子は、娘の彼氏との付き合い方に苦戦したり、密かに気になっている石売りの男・清水（松永拓野）に会いに行ったり、小さな冒険を繰り返す。そして夫・謙三の心の内まで知るようになって…。

脚本・監督 いまおかしんじ (Shinji Imaoka)

1965年、大阪府出身。

横浜市立大学在学中より、朝日カルチャーセンターのシナリオ教室に通い、馬場当に師事。1990年に獅子プロダクションに入社し、助監督として修業を積む。1995年にピンク映画『獣たちの性宴 イクときいっしょ』で監督デビュー。『たまもの』（04）『かえるのうた』（05）をはじめ海外での評価も高く、『島田陽子に逢いたい』（10）『UNDERWATER LOVE-おんなの河童-』（11）『妻が恋した夏』（14）『つぐない 新宿ゴールデン街の女』（14）と話題作を発表し続けている。また、脚本家として『苦役列車』（12）『超能力研究部の3人』（14）などがある。