福島県いわき市、地元の憧れの存在、復興のシンボル。
スパリゾートハワイアンズ・ダンシングチームが届ける感動!
たゆまぬ努力と笑顔で未来を切り拓いていくフラガールの感動的ダンス・ドキュメンタリーが、ここに誕生した。第30回日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した大ヒット映画「フラガール」のモデルとなったスパリゾートハワイアンズ・ダンシングチームの"いま"を描くドキュメンタリー映画「シネマハワイアンズ」だ。
炭鉱の閉山によって危機的状況に陥った地元いわきを復興させるべく、1966年に設立された大型リゾート施設・スパリゾートハワイアンズ(旧・常磐ハワイアンセンター)。人気を集めるポリネシアンダンスのショーは、その目玉として誕生し、復興の象徴となった。多くの観客から愛され、フラガールは現在、地元の女子の憧れの職業となっている。2011年の東日本大震災時には、支援活動チーム「全国きずなキャラバン」を組み、福島県内の避難所を中心に全国を慰問し、被災した多くの人々を勇気づけた。廃れ行く炭鉱町の未来を切り開いた先人の意思を受け継ぎ、震災から立ち上がる地元のシンボルとして、フラガールは希望と笑顔を届けた。
本作「シネマハワイアンズ」の撮影は、スパリゾートハワイアンズ創業50周年を翌年に控え、その記念公演「BIG MAHALO!! ~ありがとう・ありがとう・ありがとう~」のレッスンが大詰めを迎える2014年12月に始まった。ハワイアンズダンシングチームやファイヤーナイフダンサーの日常を追いながら、その成り立ちを紹介する第一部と、BIG MAHALO!!の圧倒的な舞台を見せる第二部の、二部構成でおくる。ナレーションはいわきで育った女優・秋吉久美子が担当。エンディングは、スパリゾートハワイアンズと縁の深いBEGINの名曲「海の唄」で締めくくる。
スパリゾートハワイアンズ・ダンシングチームとは?
フラガールことスパリゾートハワイアンズ・ダンシングチームは、本物志向の常磐炭礦株式会社(現・常磐興産株式会社)・中村豊副社長によって、1965年に開校された常磐音楽舞踊学院の卒業生からなる。一流のダンスを提供したいと考えた中村氏は、当時「日本人初のフラダンスの名取」として注目されていたカレイナニ早川(早川和子)を講師として招聘し、ダンサーを育成した。カレイナニ早川は、「フラガール」で松雪泰子が演じた平山まどかのモデルであり、50年以上経った今も、軽やかなステップで指導にあたっている。現在、ショーの演出を含め、指導にあたっているのはクウレイ尚子助教授ほか。その指導は思いのほか厳しい。ショーの終盤、たった独りで舞台を独占して踊るソロダンサーと、メインと呼ばれる踊りの中心を担うレギュラーダンサー。メインの不在時に代役を務めるエキストラなど、ダンサーには明確なランク付けがなされている。多くのダンサーがソロで踊ることを夢見る一方で、調和で魅せる群舞を極めたいと思うダンサーもいる。フラ&ポリネシアンダンスの魅力は、ソロと群舞、それぞれの表現方法を持つところであり、その両方のマインドを認めるダンシングチームだからこそ多くの人々を魅了するのだろう。フラガールたちがダンサーを志したきっかけやフラ&ポリネシアンダンスの魅力について、それぞれの思いを語るインタビューもこの映画の見どころのひとつだ。
フラ、タヒチ、サモア…心揺さぶる南国のダンス!
「やぁ!」ポーズをキメたフラガールたちの声がステージに響く。昼の舞台では明るく、夜はドラマチックに…。美しく空を舞う白く長い手足、大胆かつ正確にリズムを刻むスレンダーな腰つき、そして満面の笑顔は、見る者を魅了してやまない。南国の心地よい雰囲気に気を許していた観客の度肝を抜くことだろう。これほど高度に完成されたがショーが毎日行われていること自体、奇跡のようだ。
ソロダンサーであり、第15代目のチームリーダーであるモアナ梨江は、チームの顔として多くの役割を担っている。また、ステージの運営に関わる仕事をこなしながら、演出を担当するクウレイ尚子と新しいショーの打ち合わせを行い、チームをまとめ上げていく。もちろん、自身の踊りを高める努力も怠らない。モアナとは、ハワイの言葉で「海」を意味する。くしくも来年公開されるディズニーアニメーション「モアナと伝説の海」の主人公と同じ名前。そんなモアナ梨江のもと幕を開ける、総勢38名のフラガールとスタッフが一丸となって作り上げた「BIG MAHALO!! ~ありがとう・ありがとう・ありがとう~」を、まずはスクリーンで堪能して欲しい。